ウォルト・ディズニーは6日に発表した4-6月期(第3四半期)決算で、市場予想を上回る利益を報告した。映画や従来型テレビの厳しい環境の一方、テーマパーク、ストリーミング事業の成長が続いたことが背景にある。

発表によると、第3四半期の売上高は2.1%増の237億ドル(約3兆5000億円)で、市場予想と一致した。特別項目を除いた1株当たり利益は1.61ドルで、ブルームバーグが集計したアナリスト予想の1.46ドルを上回った。

テーマパーク部門の営業利益は13%増の25億2000万ドルに拡大し、売上高も8%増加した。ストリーミング事業は四半期ベースで3億4600万ドルの黒字を計上した。従来型のテレビ放送による利益は28%減少、映画スタジオ部門は赤字となった。

ディズニー株はニューヨーク市場で、一時5.2%下落した。

ウォルト・ディズニーの4-6月期決算は、テーマパーク事業やストリーミング部門が好調で、し市場予想を上回る利益となった

ディズニーは、ストリーミング事業に注力しており、スポーツ専門チャンネル「ESPN」や「Hulu(フールー)」を軸とした新プロジェクトを展開している。ストリーミングサービスの「ディズニープラス」の契約者数は1億2800万人で、アナリスト予想と一致した。

ディズニーは同日、ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)との新たな提携も発表した。NFLは、ハイライト配信サービス「NFLレッドゾーン」や、ケーブルチャンネル「NFLネットワーク」など保有するメディア関連事業の大部分をディズニーに売却し、対価としてESPNの10%の株式を取得する。ディズニーは、さらに多くのNFL試合の放映権も取得することになる。

一方で、ディズニーの映画スタジオを含む部門は、2100万ドルの赤字となった。これは、ピクサー作品「エリオ」やマーベル・スタジオの「サンダーボルツ」が劇場興行で振るわなかったことが響いた。エンターテインメント業界全体の縮小の中で、ディズニーは6月、映画・テレビ部門で数百人規模の人員削減を実施している。

ディズニーは通期の1株当たり利益の見通しを5.75ドルから5.85ドルに上方修正した。テーマパーク部門の営業利益は8%増と、従来予想の上限に達する見通しである。また、ストリーミング事業の利益予想も、従来の10億ドルから13億ドルに引き上げられた。

原題:Disney Tops Profit Estimates, Led by Parks Division, Streaming(抜粋)

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