自民党の河野太郎前デジタル相は6日、円高にするため金融引き締めが必要だとし、政府が日本銀行に利上げを要請すべきとの考えを示した。日本外国特派員協会で英語で記者会見を行った。

河野氏は、大規模な金融緩和を進めたアベノミクスについて、「デフレ脱却には効果的かもしれないが、現在の経済はインフレと金利上昇に見舞われており、新たな経済政策が必要だ」と主張。「私たちに必要なのは、円を強くするための金融引き締めだ」と語った。厳格な財政政策と真の構造改革を実施する必要があるとも述べた。

河野太郎氏 

河野氏は、参院選で野党が訴えた消費税減税は物価上昇を加速させるため「良い政策だとは思わない」と指摘。野党の主張は国債の金利上昇を引き起こしており、「だから私は政府は日本銀行に利上げを要請し、代わりに歳出を削減し財政均衡に取り組む姿勢を示すべきだと主張してきた」と話した。

昨年7月に行われたブルームバーグテレビジョンとのインタビューでは、急激な円安がもたらす国内物価への影響などの問題を強調。円の価値を高め、エネルギーや食料品のコストを引き下げるために政策金利を引き上げるよう日銀に求めていた。物価高対応が争点の一つとなった今回の参院選で与党が大敗する中、河野氏は改めて持論を展開した。

全国消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)が3年以上にわたって日銀の物価安定目標の2%を上回る中、利上げを求める声が上がっている。経済同友会の新浪剛史代表幹事(サントリーホールディングス会長)は7月の定例会見で、物価高への対応で後手に回らないよう、日銀はすぐにでも利上げをすべきだと語った。

石破茂首相の続投を支持するかとの質問に対しては、河野氏は「首相次第だ」と述べた。米国との関税協議の詳細は石破首相と赤沢亮正経済再生相しか知らないため、「もし彼がそれを完了させなければいけないと思えば、続投するだろう。もし彼が完了したと思えば、辞任するかもしれない」と述べた。

(河野氏の発言の詳細を追加して更新しました)

--取材協力:竹生悠子、氏兼敬子.

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