私たちが日々当たり前のように利用しているスマートフォン、オンラインショッピング、動画配信サービス。これら全てを支えるのが、広大な土地にそびえ立つデータセンターです。この巨大な施設が、まさに「クラウド」の実体であり、私たちのデジタルライフを陰で支えています。しかし、この巨大なインフラが、いま、地域住民の生活や地球環境に悪影響を与える弊害も出ており、社会全体でそのあり方が問われる「転換点」を迎えています。

全米の約25%が集中する“データセンターの聖地”北バージニア

アメリカ・バージニア州北部は、世界のデータセンター開発の中心地として注目されています。

世界のデータセンターの約13%、そしてアメリカのデータセンターの実に4分の1がこの地に集中しているのです。

なぜ、この地がこれほどまでにデータセンター開発を加速させてきたのでしょうか。

まず、ワシントンD.C.の政府機関が顧客であったデータ処理会社がこの地に進出し、インターネットの発展とともに良質な光回線網が整備されました。

さらに、強力で信頼性が高く、比較的安価な電力網もデータセンターが大量に消費する電力を供給できる条件を満たしていました。

自然災害が少なく、広大な土地があることも有利に働き、加えて、この地域のデータセンター開発を後押しする減税策も可決されたことで、北バージニアは「データセンターの聖地」となっていったのです。