10日の取引では、引けにかけて欧州国債が上げを拡大した。トランプ米大統領が中国からの輸入品に対する関税を「大幅に引き上げる」と警告し、投資家がリスク回避に動いた。

ドイツ債利回りは中期ゾーンを中心に低下。5年債と10年債の利回りはいずれも6ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下し、それぞれ2.24%、2.65%。

英国債は長期物が好調。30年債利回りは7bp低下し、5.48%となった。

欧州中央銀行(ECB)の利下げ見通しも強まった。短期金融市場が織り込む来年末までのECB利下げ幅は12bpと、前日から5bp拡大。イングランド銀行(英中銀)の同期間の利下げ幅は40bpとみられている。

株式市場では、ストックス欧州600指数が9月2日以来の大幅な下げ。トランプ氏の発言を受け、米中関係悪化が懸念されている。

 

ストックス欧州600指数は1.3%下落。エネルギーやテクノロジーが下げを主導した。中国の動向の影響を受けやすい自動車や鉱業も売られた。

パンミュア・リベラムのストラテジスト、ヨアヒム・クレメント氏は「結局のところ、関税の脅威は消える気配がない。トランプ氏の突発的な行動は今後も時おり投資家の不意を突くだろう」と述べ、「米国のインフレ見通しや、米企業が関税をどれだけ容易に吸収できるかについて、投資家は期待を見直す必要がある」と警告した。

10月10日の欧州マーケット概観(表はロンドン午後6時現在)

原題:European Stocks Fall as Trump Threatens ‘Massive’ China Tariffs(抜粋)

--取材協力:David Watkins.

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