(ブルームバーグ):28日の日本市場では株式が続落。主要企業の決算発表が本格化するのを前に半導体関連株に売りが出た。債券は先物や中長期債を中心に上昇。円相場は1ドル=148円台に下落した。
株式相場には石破茂首相の政権運営を巡る先行き不透明感も重しとなった。自民党はきょう両院議員懇談会を開き、大敗した参院選の総括の進め方などについて協議。与党内で退陣圧力が強まる中、石破氏は政治空白を生まないよう責任を果たすなどと述べた。
東海東京インテリジェンス・ラボの平川昇二チーフグローバルストラテジストは、株式市場では石破氏の続投がコンセンサスとなっているとし、仮に辞任表明となれば株価にとってかなりプラスのサプライズだと話していた。
株式
東京株式相場は続落。半導体のほか、銀行や情報・通信、電機が下げた。個別銘柄では、UBS証券が投資判断を引き下げたアドバンテスト株が急落。一方、第1四半期(4-6月)の営業利益が市場予想を上回ったファナックは買われた。
りそなホールディングスの武居大暉ストラテジストは、半導体株の下落の要因として決算発表が間近に控えていることがあると指摘。米ハイテク企業の決算を控え投資家の警戒感が強まっているとも述べ、「利益確定売りが出やすい」との見方を示した。
債券
債券相場は前週末に利上げ観測で売られた反動から、中長期ゾーンを中心に買いが優勢だった。
三井住友トラスト・アセットマネジメントの稲留克俊シニアストラテジストは、前週の終盤に日本銀行の年内利上げ観測が強まり、債券が大きく売られた反動で買いが入ったと説明した。株安によるリスクオフのムードもあり、リスク回避の債券買いも一定程度あったとの見方を示した。
新発国債利回り(午後3時時点)
為替
円は148円台前半に下落。米国と欧州連合(EU)が貿易協定で合意するなど、通商交渉の進展を受けたリスク選好の回復が円売り圧力となっている。
みなと銀行の苅谷将吾ストラテジストは、25日に付けたドル・円の高値147円94銭を超え、ドル買いが強まったと指摘。また、自民党の両院議員懇談会で石破首相の退任観測が強まることへの警戒感から円が売られていると述べた。「日銀利上げ期待は根強いものの、日本の政治リスクへの警戒感で円を買い進みにくい」と言う。
この記事は一部にブルームバーグ・オートメーションを利用しています。
--取材協力:長谷川敏郎.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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