28日の取引で欧州株と米株価指数先物が上昇した。米国と欧州連合(EU)がEUからの大半の輸出品に対して15%の関税を課すことで合意し、深刻な貿易戦争への懸念が後退した。

欧州株の指標であるストックス600指数は0.9%上昇した。S&P500種株価指数先物は0.5%上昇している。同指数は25日まで5営業日連続で最高値を更新していた。

ユーロは一時ドルに対して上昇したものの、その後はやや軟化。原油価格は0.9%上昇した。

市場は4月の安値から反発している。米欧の通商合意や米中が関税措置の停止を延長する兆しで、トランプ米大統領による関税への懸念が和らいだ。

ただ、今週は重要な経済指標に加え、米連邦公開市場委員会(FOMC)と日本銀行の会合、米大型株の決算発表が控えており、これらが市場や世界経済の見通しを左右する見通しだ。

BNPパリバ・アセット・マネジメントのアジア太平洋地域担当シニア市場ストラテジスト、羅念慈氏はブルームバーグテレビジョンの番組で、通商合意は「予想よりは悪くない」内容でまとまりつつあるとし、「こうした期待とセンチメントの変化が過去数週間の株高を後押しした。今後はファンダメンタルズが役割を果たす必要がある」と語った。

 

トランプ氏と欧州委員会のフォンデアライエン委員長は27日に、EUと米国の貿易協定を発表した。協定により、EUは自動車を含む大半の輸出品に対して15%の関税を課されることになる。

28日の欧州市場では、自動車株が序盤の上昇を主導した。

また、米中が関税措置の停止をさらに3カ月延長する見通しだと香港英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストが報じたことを受け香港株と中国株が上昇した。

ベッセント米財務長官と中国の何立峰副首相は28日にストックホルムで会談する予定となっている。

原題:Stock Rally to Extend as Futures Rise on EU Deal: Markets Wrap(抜粋)

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