(ブルームバーグ):石破茂首相の続投表明に対し、自民党の若手議員らから反発の声が上がっている。参院選の大敗の責任を取って辞任するよう求めており、政局混迷が市場の不安定要因になる可能性がある。
西田昌司参院議員は21日、ユーチューブに投稿した映像で、石破首相の続投は「あり得ない」とし、辞任すべきだと記者団に語った。鈴木英敬衆院議員もX(旧ツイッター)に続投表明は「選挙による審判を軽視していると言わざるを得ない」と批判。自民が敗退した昨年の衆院選なども含めた選挙結果を「重く受け止め、早期にご判断をいただきたい」と退陣を促した。
昨年の総裁選で西田氏は高市早苗元政調会長、鈴木氏は小林鷹之前経済安全保障担当相を支持し、首相とは距離がある。高市氏に近い山田宏参院議員らも首相退陣を求める考えをSNSなどを通じて発信している。これに対し、同総裁選に出馬したものの、小泉進次郎農相と林芳正官房長官は閣僚として当面、首相を支える立場を示した。
野村総合研究所の木内登英エグゼクティブ・エコノミストはコラムで、政権継続の理由とされる日米関税交渉がまとまらず、8月1日に25%の関税が賦課されることが予想されると指摘。党内の反発で「石破首相が辞職に追い込まれる可能性はなお一定程度残されている」との見方を示した。金融市場は「石破首相の退陣論が自民党内でどの程度強まるかに大きな関心を寄せている」としている。
市場では自民、公明連立与党の過半数割れで、中長期の債券相場が中長期的に下落(金利は上昇)に向かうとの見方が出ている。消費税減税を掲げる野党の影響力が強まる中、財政拡張への懸念が再燃する可能性がある。
比較第1党
石破首相はテレビ出演や記者会見で、続投する理由について米国の関税措置、物価高、自然災害などの課題を挙げ、「今最も大切なことは国政に停滞を招かないということだ」と説明。「比較第1党」としての責任も強調している。
小泉農相は22日の閣議後会見で、自らは農相としての「職責を石破政権の一員として果たす」と明言した。ただ、首相に対しては、「比較第1党に胸を張るのではなく、過半数を達成できなったことを重く受け止めるべきだ」とくぎを刺す。林官房長官も、首相を「引き続き支えたい」とコメントした。
一方、同じく総裁選に立候補していた加藤勝信財務相は閣議後会見で、「政党としてどう対応すべきかについてコメントするのは差し控えねばならない」と語った。 河野太郎前デジタル相はXで、米国との関税交渉の最中に首相が続投するのは「理由がある」と一定の理解を示した。ただ、選挙の責任者である森山裕幹事長が辞表を出していないのは「おかしい」とし、幹事長の辞任を求めた。
こうした中、総裁選で石破首相陣営の選対本部長だった岩屋毅外相は22日の会見で、「最も大切なことは国政に停滞を招かないことだ。ここは進むも地獄、退くも地獄だ。国家・国民のために前に進んでいかなければならない」と述べ、首相を擁護した。
総務省の発表によると、20日の参院選で自民・公明の連立党は参院全体の過半数維持に必要だった50議席に届かなかった。国民民主党と参政党は議席を二ケタ台に増やす大躍進で、日本維新の会は1議席を上積みした。立民は選挙前の議席を維持した。
(自民党議員の動きなどを追加し、更新しました)
--取材協力:村上さくら、梅川崇.
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