JTCとは
「JTC」は「Japanese Traditional Company」の頭文字を取った略語で、伝統的な日本の企業のことを指す。
ネットやSNSで自然発生的に誕生したネットスラングであり、明確な定義はない。
いわゆる日本型雇用型システムの三種の神器として、ジェームズ・C.アビグレンが1958年に指摘したのが「終身雇用」「年功序列」「企業内組合」だが、これがJTCの定義に合致するかというとそうともいえず、より広い意味で使われている。
一般的には、長く続く日本企業ならではの悪しき風習や良くない組織風土に対して揶揄、自虐する際に使われることが多い。
メディアでは主に大企業をピックアップして取り上げられがちであるが、上記のような文化が醸成されている企業であれば企業の大小は関係なくJTCと呼ばれている。
日本経済新聞社が、X(旧Twitter)にてJTC関連の投稿数を調べたところ、2023年1月~12月中旬までの約1年間で24万件を超える投稿があったという。
具体的な投稿内容の例では、「JTCあるある」として「若手が幹事の社内運動会や社員旅行がある」「必要以上の社内調整や資料調整が求められる」「社内調整力はつくが、対外的に有用なスキルが身につかない」「上意下達の文化で、たとえばメールの宛先も役職順に設定しないといけない」「形式的な確認や手続きが多くスピード感がない」等の投稿が見られる。
本稿では、この「日本企業ならではの悪しき風習や良くない組織風土」が実際に従業員や企業にどのような影響を及ぼすのか、みていきたい。