そもそも組織風土は測定可能なのか
組織風土は、評価制度や仕組み等の目に見えるハード要素、社内の雰囲気やモチベーションといった目に見えないソフト要素など、非常に幅広い要素を含んでいる。
そのような組織風土を測定することは可能なのだろうか。
組織風土を測定した例として、内閣府が2019年2月に実施した「多様化する働き手に関する企業の意識調査」を挙げる。
この調査の中で、「日本的雇用慣行度」という形で、日本の伝統的な組織風土を分析している。
日本的雇用慣行度は「平均勤続年数」「離入職率」「賃金に年功が大きく考慮される度合い」の3変数を用いて分析されており、主に人事制度等のハード面に注目した組織風土を測定したものといえる。
この分析では、長期雇用や年功序列の賃金体系等を特徴とする日本的雇用慣行の度合が強い企業ほど、内部ミスマッチが発生していることが確認されている。
日本的雇用慣行度が強い企業では、年功によって人材管理を行う傾向があるゆえに、このような内部ミスマッチが生じ、多様な人材の活躍について課題を抱えていると考えられる。
