世界的に急成長を遂げるパッシブ運用業界で奇妙な事態が起きている。

ハイテク株に投資する著名なファンド「インベスコQQQトラスト・シリーズ1」(ティッカー:QQQ)は、11兆7000億ドル(約1740兆円)規模の上場投資信託(ETF)業界で最も収益性の高いファンドだが、運用会社の米インベスコはそこからほとんど利益を得ていない。状況を変えようと、同社は現在、投資家に協力を求めている。

インベスコは17日、米証券取引委員会(SEC)に委任状説明書を提出した。QQQ投資家に対し、ファンド形態について現在のユニット・インベストメント・トラスト(UIT)からオープンエンド型ファンドへの変更に同意を求める内容だ。UITの導入は1990年代のETF草創期にさかのぼるが、現在はあまり利用されていない。

一見すると小さな変更に思えるが、インベスコにとっては極めて重要だ。QQQの運用資産は3550億ドルに上り、手数料収入率は0.2%。単純計算すると、年間で約7億1100万ドルと、他のどのETFよりも多いことが、ブルームバーグ集計データで分かっている。

だが、UITという現行の形態では、収入の大半がファンドの受託銀行であるバンク・オブ・ニューヨーク・メロン(BNYメロン)と、連動対象となる指数を提供する米証券取引所運営会社ナスダックに分配される。さらにファンド目論見書の規定により、残った収入も全てQQQのマーケティングに充てなければならない。

その結果、運用会社のインベスコには実質的に何も残らない。今回の変更について投資家の承認を得られれば、この構図が変わる可能性がある。ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)のETFアナリスト、アタナシオス・プサロファギス氏によれば、これはインベスコとQQQ投資家の双方にとってウィン・ウィンになる可能性がある。

同社は委任状説明書以外の内容についてコメントを控えた。

 

原題:Invesco Aims to Unlock Hundreds of Millions in Profit From QQQ(抜粋)

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