米下院共和党指導部が推進する仮想通貨規制法案3本の審議入りに向けた動きは、15日夜になって再び前進の兆しを見せた。トランプ大統領が、法案に難色を示していた保守派議員らを説得したとSNSに投稿した。

日中に行われた採決では、上院で可決済みのステーブルコイン規制法案に修正を求める党内保守強硬派の一部が民主党と共に反対票を投じ、審議入りは否決された。トランプ氏は「クリプトウィーク(暗号資産週間)」と称して下院での審議開始を後押ししていたが、造反議員との協議は難航し、共和党指導部はこの日は追加の採決を見送ると議員に伝えていた。

しかし、同日夜にトランプ氏は自身のSNSであるトゥルース・ソーシャルに投稿し、「私はいまホワイトハウスの執務室で、ステーブルコイン規制法案の可決に必要な12人の下院議員のうち11人と共にいる。短い協議の結果、彼ら全員が明朝のルール採決で賛成票を投じることに同意した」と明らかにした。ジョンソン下院議長も電話でこの協議に参加していたという。

ジョンソン氏はその後、X(旧ツイッター)への投稿で、「トランプ大統領が今夜、明日のステーブルコイン法案通過を確実にするために尽力してくれたことと、今後数日中にほかの仮想通貨関連法案を前進させることにも協力すると再び請け合ってくれたことに感謝する」と投稿した。

トランプ氏の投稿を受け、ビットコインは一時1.5%上昇し、11万8214ドルとなった。

これに先立ち、下院の採決結果を受けて、ロビンフッド・マーケッツやコインベース・グローバルを含む暗号資産関連株は軒並み下落していた。

デジタル資産業界は、仮想通貨の規制を整備するこれらの法案成立が業界にとって初の大きな立法成果になると期待していた。業界関係者は法案が成立すれば、ドルに連動するステーブルコインの利用拡大につながるとみている。

原題:Trump Says GOP Crypto Dispute Resolved After White House Meeting(抜粋)

--取材協力:Chris Cioffi、Joe Mathieu、Kailey Leinz、Emily Birnbaum、Erik Wasson.

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