日本証券業協会の日比野隆司会長は、ブルームバーグなどとのインタビューで日本銀行による追加利上げの時期について、早ければ来年1月との見通しを示した。

日比野会長は「インフレの持続性と実体経済の推移を慎重に見ながら、2026年1月から3月にかけて利上げが行われるのではないか」と述べた。マクロ経済環境や来年度の賃上げ動向を見極め、日銀は徐々に金利を上げていくとみている。

日銀は今年1月に政策金利を0.5%に引き上げ、市場の関心は次の利上げ時期とペースに移った。ただ、トランプ米政権が4月に関税政策を発表したことで、先行き不確実性の高まりや金融市場の混乱を招き、それまで優勢だった年内追加利上げの見方が後退。ブルームバーグが6月に行ったエコノミスト調査では、来年1月の予想が最多を占めるなど時期は後ずれしている。

日証協会長の就任会見での日比野氏(1日・都内)

日比野会長はトランプ政権の関税政策について「世界経済を破壊してアメリカだけが繁栄することはあり得ない」と指摘。「中長期的にはしかるべく所に落ち着く」と述べた。

インターネット経由での証券口座乗っ取りによる不正取引問題を巡り、日証協が改定に向けて議論している不正取引防止に関するガイドラインについて「詰めの議論がなされつつある」と説明。2つ以上の要素で本人確認する「多要素認証」が必須化となる見通しを示したものの、改定時期については明言を避けた。

ガイドライン改定に伴い、とりわけ中堅・中小証券にとってはセキュリティー対策コスト負担が相対的に重くなる点については「コストを支払ってまで、ネット証券ビジネスを続けるかどうかは各社の判断だ」と語った。

もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp

©2025 Bloomberg L.P.