(ブルームバーグ):人工知能(AI)向け半導体で圧倒的シェアを占める米エヌビディアと対話型AI・ChatGPTを開発した米OpenAIは、次世代AIの基盤となる10ギガワット規模の高い計算能力を持つデータセンター整備に向け、戦略提携することで合意した。
さらに高額な開発段階に道を開く今回の提携を受け、AIバブルの不安が一気に再燃した。
エヌビディアは22日、OpenAIに最大1000億ドル(約14兆8000億円)投資すると発表。同社がエヌビディアの先端半導体を用いて大規模データセンターを構築し、次世代AIの開発・運用を行う計画を支援する。
バーンスタイン・リサーチのアナリスト、ステイシー・ラスゴン氏は「今回の動きにより(投資資金が製品の購入に充てられる)『還流』への懸念が明らかに高まるだろう」と投資家向けリポートで分析した。
それは、AIブームの多くの期間を通じて、エヌビディアに多かれ少なかれ付きまとってきた不安だ。ピッチブックのデータによると、同社は2024年に50件を超えるAI関連企業対象のベンチャー投資に参加し、今年はこのままいけば昨年を上回る。
AIモデルを開発する企業やクラウド事業者も投資対象に含まれ、一部の企業は投資された資金をエヌビディアの高価な画像処理半導体(GPU)購入に充てている。
ラスゴン氏は、エヌビディアのOpenAIへの投資規模について、「他の全ての案件が小さく見える」と指摘。今回の提携は「従来よりはるかに大きな懸念に拍車を掛け、合理的根拠を巡り不安が生じる可能性が高い」との見解を示した。
同氏によれば、エヌビディアは今回のOpenAIへの投資が自社製品の「直接購入」に充てられることはないと説明しているという。
原題:Nvidia’s OpenAI Deal Fuels ‘Circular’ Financing Concerns (1)(抜粋)
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