欧州中央銀行(ECB)政策委員会メンバーのパネッタ・イタリア中銀総裁は、11日の講演で、経済成長が予測を下回り、インフレ率が過度に低下するような場合には、さらなる利下げを実施すべきだと述べた。

同氏は「もし成長に対する下振れリスクが、ディスインフレを強める要因となる場合、金融緩和を継続するのが適切だ」と語った。また、ECBの意思決定について「柔軟かつ実務的な姿勢を維持し、得られる情報とインフレ見通しへの影響に基づき、ケース・バイ・ケースで判断していく」と強調した。

ECBの政策当局者らは、1年にわたり続けてきた利下げの流れをいったん休止する構えだ。昨年6月から、中銀預金金利は計200ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)引き下げられ、現在は2%となっている。この小休止の大きな背景には、欧州と米国の通商関係の先行き不透明感や、ウクライナや中東での戦争がある。

それでも市場では、年内にもう一度利下げが実施されるとの観測が根強い。パネッタ氏は、「次の一手を慎重に見極める上で、私たちは良い位置にある」と、このところ当局者の間で定番となっている表現を繰り返した。

また、「いま重要なのは、現在の金利水準がインフレ率を目標値付近に保ち、長期間にわたる上下方向のかい離を避ける上で適切かどうかだ」と語った。

原題:ECB Must Cut More If Weak Growth Weighs on Prices, Panetta Says(抜粋)

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