(ブルームバーグ):英・オランダ系の消費財メーカー、ユニリーバは、南米ベネズエラのアイスクリーム事業をトラックメーカーのマック・デ・ベネズエラに売却した。ベネズエラでは、高インフレと政治的不確実性が民間セクターに再び深刻な影響を及ぼしている。
同社は質問に対する電子メールでの回答で、売却は今月3日に発効しており、アイスクリームブランド「ティオ・リコ(Tio Rico)」やオフィス、工場も含まれるとした。売却額などの詳細は明らかにしていない。
ユニリーバは「マックは、同社の能力、価値観、そして今後のビジョンを慎重に評価した結果、選ばれた。事業の円滑な移行を確保し、従業員、顧客、パートナー企業のために事業の継続性を守るべく、密接に協力する」とコメントした。
マック・デ・ベネズエラからのコメントは得られていない。
ベネズエラ経済は現在厳しい状況にあり、トランプ米政権が米企業によるベネズエラでの石油採掘許可を制限して以来、経済情勢は急速に悪化している。インフレが再び上昇し、通貨市場のゆがみが地元企業の事業運営に支障をきたしている。
過去10年間では、ケロッグやキンバリー・クラーク、コルゲート・パルモリーブ、カーギルなど、多くの多国籍企業がベネズエラから撤退した。一方、事業を縮小したり、製品の流通を現地企業に移管したりした企業もある。
ユニリーバは、ダブなどのパーソナルケアブランドもベネズエラで展開しているが、この事業からも撤退したかどうかは明らかにしなかった。
同社は「グローバルブランドおよびローカルブランドは、引き続きベネズエラの消費者に提供される」と電子メールで述べた。
原題:Unilever Sells Venezuela Ice Cream Operation to Truck Maker Mack(抜粋)
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