財務省は24日に開いた国債市場特別参加者(プライマリーディーラー、PD)会合で、10-12月期の流動性供給入札について、残存15.5年超39年未満の超長期債の発行額を減らす案を示した。異例の今年度2回目の減額で、超長期ゾーンの利回り上昇に対応する。

財務省の発表資料によると、10月と12月の15.5年超39年未満の入札を従来の3500億円から2500億円に減額する。一方、11月の1年超5年以下の入札は6000億円から7000億円に増額する。財務省は6月のPD会合でも20年、30年、40年債の発行額減額を決めた。

超長期債を巡っては、財務省が8月下旬にPD19社に流動性供給入札についてのアンケートを送付し、発行額を1000億円減額する案と10月の同入札を見送る2案を提示。市場では、財務省が既発債を買い入れて消却するバイバック実施に向けた布石との見方が出ていた。

財務省幹部は24日の記者説明で、6月のPD会合でも参加者から要望が出ていた国債のバイバックについて、現時点では具体的に検討していないと述べた。

三井住友トラスト・アセットマネジメントの稲留克俊シニアストラテジストは、減額提案は超長期債にとって「中立ないしポジティブ」だとし、25日の40年債入札は無難に消化されるとの見方を示した。

財政支出拡大への懸念を背景に、超長期債利回りは世界的に上昇傾向が続いている。日本でも石破茂首相の退陣表明により財政拡張リスクへの警戒が強まり、新発30年債利回りは今月初旬にかけて過去最高水準を更新。市場では国債相場の安定化に向け、財務省の対応に注目が集まっていた。

(第4、5段落に財務省や市場関係者のコメントを追加しました)

--取材協力:日高正裕.

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