米製薬大手メルクは、呼吸器疾患治療薬を手がけるバイオ医薬品会社ベローナ・ファーマの買収で合意に近づいている。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が報じた。

同紙が事情に詳しい匿名の関係者を引用して伝えたことによれば、メルクはベローナの1米国預託株式(ADS)当たり107ドルを支払う予定。8日の終値に23%上乗せすることになる。

交渉は進んだ段階にあり、障害がなければ9日にも合意が発表される可能性があると、FTは関係者を引用して報じた。ベローナの企業価値を約100億ドル(約1兆4700億円)と評価する取引になるという。

ベローナは、昨年に米食品医薬品局(FDA)の承認を獲得した慢性閉塞(へいそく)性肺疾患(COPD)治療薬「オーツバイア」に注力している。

メルクは、主力のがん免疫療法薬「キイトルーダ」の2028年の特許切れに備え、開発パイプラインの強化に向けた新たな資産の取得を進めている。

メルクはFTに対してコメントを控えた。ベローナは同紙のコメント要請にすぐに応じていない。

原題:Merck Nears $10 Billion Deal for Drugmaker Verona, FT Says (2)(抜粋)

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