米スターバックスは中国事業に関する提案を複数の投資家候補から受け取っていると、事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。その多くが支配権の取得を視野に入れているという。

非公開情報だとして関係者が匿名で述べたところでは、スターバックスは現在、提案内容の精査と、次回の入札ラウンドに向けた投資家候補の絞り込みを進めている。選ばれた入札者に対し、中国資産の価値を評価するのに必要な財務や事業運営に関する情報を提供する可能性もあるという。

スターバックスは当初、中国事業の成長回帰に寄与し得るパートナーに少数株を売却する選択肢を優先していたが、評価額や他の要因次第では、より大きな持ち分の売却を検討することもあり得ると、関係者は語った。

関係者によると、業界プレーヤーやプライベートエクイティー(PE、未公開株)投資会社を含むパートナー候補は6月に拘束力のない提案を提出しており、その大半が支配権取得を求めている。意思決定権のほか、投資戦略との整合性も確保しやすくなる可能性があるためだという。

スターバックスの中国事業に関する見直し作業はなお初期段階で、売却の枠組みや評価額、売却先候補などについて最終決定は下されていない。

同社は発表文で「中国には長期的に大きな潜在力がある」とした上で、「当社は引き続き中国市場にコミットしており、それなりの持ち分を保持したいと考えている」と説明した。

スターバックスは6月に中国事業の全面売却について検討していないと表明。ブルームバーグ・ニュースは5月、同社が中国事業の見直しに着手したと報じていた。スターバックスは中国での売り上げ低迷に見舞われ、瑞幸咖啡(ラッキンコーヒー)など中国勢との競争も激化している。

原題:Starbucks China Unit Said to Draw Interest for Controlling Stake(抜粋)

--取材協力:Daniela Sirtori.

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