(ブルームバーグ):欧州中央銀行(ECB)政策委員会メンバーのビルロワドガロー・フランス中銀総裁は、7日の仏紙レゼコーへの寄稿で、ECBは今後、非伝統的な手段を採用する際、それが金融政策のスタンスを調整するためなのか、または政策の円滑な移行のためなのかを明確にしていくと述べた。
ビルロワドガロー氏は、ECBの最近の戦略見直しを受け、政策手段は「その主たる目的を明示することで、相応の形で活用される」との考えを示した。
また、「金融政策スタンスの調整に関しては、長期国債の購入プログラムを優先すべきで、中央銀行のバランスシートに生じうるリスクへの対応方法はいくつもある。政策の移行については、ECBはさまざまな手段を新たに導入してきた」と述べ、長期リファイナンスオペ(LTRO)や2022年に創設されたトランスミッション・プロテクション・インスツルメント(TPI)などを挙げた。

ECBが6月30日に発表した戦略見直しでは、量的緩和を含む全ての政策手段を引き続き選択肢として維持するとしたが、こうした手段がどのような状況で用いられるべきかについての明言はなかった。チーフエコノミストのレーン理事は「政策対応の規模は問題の規模に応じて決まる」と述べていた。
この評価では、将来的に再び量的緩和が用いられる可能性が示唆されたものの、一部の関係者はその適用により慎重だ。
過去に資産バブルや格差拡大、ユーロ圏の一部中銀における損失といった副作用が生じたことから、量的緩和について否定的な見解を持つ向きもある。ECBのシュナーベル理事は、量的緩和は経済刺激の手段として、費用対効果が「あまり望ましくない」と発言しており、一方でLTROは銀行融資の活性化に有効で、より迅速に巻き戻せると評価している。
原題:ECB to Clarify Use of Unconventional Tools: Villeroy (Correct)(抜粋)
(ビルロワドガロー氏の寄稿の引用部分を差し替えます)
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