業界有数のソブリン債ファンド運営会社アビバ・インベスターズは、年限が短めの英国債を選好している。英政府の秋の財政計画公表に向け、長めの英国債は下押し圧力が強まると懸念している。

年限が長めの英国債利回りは、先週2日に急上昇した。スターマー首相が数十億ポンド規模の福祉予算の削減を撤回し、財政規律を重視するリーブス財務相の交代観測も広がったことで、財政悪化が意識された。

利回りの動きはその後和らいだ。しかし財政計画策定の過程で、政策のUターンに再びつながりかねない増税の行方に関心が向かい、市場の動揺が再燃するとトレーダーはみている。

アビバでグローバルソブリン債ファンド(運用資産89億ポンド=約1兆7600億円)を運用するシニアポートフォリオマネジャー、スティーブ・ライダー氏は、先週半ばの英国債売りを受け、英10年国債利回りの上昇リスクが最も高いと考えている。

英景気が減速する中で、イングランド銀行(英中央銀行)の利下げが相場を支えると想定し、2-5年国債への投資を同氏は選好する。

「秋の財政計画に向け、英国債市場には不確実性のプレミアムが織り込まれるだろう。それでもフロントエンド(短めのゾーン)は、経済環境によって保護される」とライダー氏はインタビューで指摘した。

アビバのグローバルソブリン債ファンドの年初来リターンはプラス1.6%と、同種のファンドの上位3分の1に入る好成績を残した。

 

原題:Aviva Shuns Longer UK Gilts With Budget Anxiety Set to Return(抜粋)

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