米オープンAIは、株式取引アプリを手がける米ロビンフッド・マーケッツが提供する自社の「株式トークン」を巡り顧客に注意を促した。このトークンは非公開企業であるオープンAIの株式ではなく、同社は一切関与しておらず、承認もしていないと強調した。

サム・アルトマン氏率いるオープンAIはX(旧ツイッター)に投稿した発表文で、「オープンAIの株式の譲渡には当社の承認が必要であり、いかなる譲渡も当社は承認していない」と説明。「どうか注意してほしい」と呼びかけた。

これを受け、ロビンフッド株は3日のニューヨーク市場で一時6%安となった。

オープンAIの警告をきっかけに、個人投資家向けのトークン化株式の安全性と機能、さらにはその実態をめぐる議論が広がっている。

ロビンフッドのブラッド・テネフ最高経営責任者(CEO)はXに声明を投稿し、このトークンは厳密に言えば株式(企業の実際の所有権)ではないものの、「個人投資家に未公開資産へのアクセスを実質的に提供できる手段」だと反論した。

ロビンフッドは今週、オープンAIとスペースXのトークンを含む株式トークンの提供を欧州の一部顧客向けに開始した。ロビンフッドは、トークンの裏付けとなる株式を自社で保有するとしており、トークン保有者には配当を含めて原証券の大半の利益を提供すると説明していたが、議決権は当面提供されないとしていた。

こうした仕組みは、上場企業の株式であれば比較的明快だが、非上場企業では複雑さが増す。

ロビンフッドの広報担当者は電子メールで「トークンは、特別目的事業体(SPV)におけるロビンフッドの持ち分により実現している。われわれは厳密に言えば『株式を所有している』わけではないが、顧客に未公開株市場へのエクスポージャーを提供している」と説明した。

これらの企業の株式を所有することは、普通の投資家には困難だが、一部の非公開企業のバリュエーションが高騰しているだけに、個人投資家が飛びつきたがるのは当然だ。トークン化された株式は、その原資産に疑問がある場合でも、投資家にそうしたアクセスを提供できる。

原題:OpenAI Casts Doubt on Robinhood’s New Tokenized Equity Products(抜粋)

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