英スコットランドが初めて信用格付けを取得した。初の債券発行に向けた重要な一歩となる。英国の財政状況が厳しい中、投資家の呼び込みを目指す。

スコットランド議会建物の入り口(エディンバラ)

S&Pグローバル・レーティングはスコットランドの格付けを「AA」、格付け見通しを「ステーブル(安定的)」とした。この判断は英政府との分権制度や堅調な経済、財政規律を根拠とする。

ムーディーズも、均衡予算維持の義務や英政府からの安定した資金供給を挙げ、「Aa3」の格付けを付与した。いずれの格付けも投資適格級で英国と同水準。

スコットランド自治政府は、英国から新たな借り入れ権限が与えられた約10年前から、いわゆる「キルト債」の発行を検討してきた。発行は資金調達だけでなく、金融機関や格付け会社との関係構築にもつながるとみている。これは英政府がこれまで担ってきた分野だ。

こうした動きは、スコットランドの独立を目指しているスコットランド民族党(SNP)が財政の自主性を示そうとする取り組みの一環でもある。

原題:Scotland Gets First Credit Ratings to Pave Way for Bond Sale(抜粋)

--取材協力:David Goodman.

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