米非製造業部門の活動は6月、わずかに拡大した。雇用は縮小し、指数は3カ月ぶりの低水準となった一方、事業活動や受注の指数が上向いた。米供給管理協会(ISM)が3日発表した。

5月に停滞していた事業活動の指数は、6月に拡大圏に回復した。新規受注指数も小幅ながら拡大を示した。

非製造業の総合景況指数と雇用指数、事業活動指数

ISM非製造業景況調査委員会のスティーブ・ミラー委員長は「6月の総合景況指数が拡大圏に戻ったのは歓迎するが、回答者からは成長減速と経済の不確実性への言及が多くあった」と発表資料で指摘した。

6月は輸送・倉庫や公益事業、娯楽など10業種で業況が拡大した一方、農業や建設など6業種が縮小した。

受注残の指数は約2年ぶりの大幅縮小。これと合わせてサービス業では人員の調整が鮮明になった。雇用の指数は3.5ポイント下げて47.2と、過去4カ月で3カ月目の縮小を記録した。

関税引き上げを含むトランプ政権の貿易政策が及ぼす悪影響に、消費者と企業が対応する中、今回の統計は現時点での景気が減速している様子を浮かび上がらせた。

仕入れ価格指数は前月から下がったものの、なお2022年終盤の高い数値に近い。

一方で在庫の指数は上昇し、在庫に対するセンチメントは昨年7月以来の高水準から下げた。在庫が過剰にあるとみている企業が減ったことを示しているが、指数は依然高い水準にある。

統計の詳細は表をご覧ください。

原題:US Service Providers Expand at Modest Pace as Employment Slows(抜粋)

(統計の詳細とチャート、発表主体のコメントを加えます)

--取材協力:Chris Middleton.

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