米国が中国への依存度を最も強める瞬間――それは、独立記念日の7月4日かもしれない。英国からの独立を祝うこの日に打ち上げられる花火のほぼ全てが、中国からの輸入品だからだ。

今年の独立記念日に使用されるロケット花火、線香花火、乱玉(ローマンキャンドル)などの価格は、トランプ米大統領による関税引き上げの影響をまだ本格的には受けていないとみられる。

しかし、2026年に控える建国250周年の祝典や、25年の大みそかなどのイベントに向けて、米国の花火業者の間では米中間の通商障壁が障害となることへの懸念が広がっている。

火薬を用いた花火を1000年以上前に発明したとされる中国は、世界の消費者向け花火の99%、プロ向け花火の90%を生産している。

トランプ氏が打ち出した最新の貿易政策では、これらの花火に対し米国で30%の輸入関税が課されることになった。10%の一律関税と、合成麻薬フェンタニル対策に関連した20%の上乗せ関税だ。

関税は、今年については消費者よりも業者の利益率に響くとみられる。

独立記念日の花火(2021年7月4日)

花火の小売業者、卸売業者、花火大会の演出業者などを代表する米国花火協会(APA)のエグゼクティブディレクター、ジュリー・ヘックマン氏は先月、政府に関税の免除を求めた文書で「25年の独立記念日シーズンの準備がかなり進んだ段階で関税が課されたため、多くの事業者はコスト増を消費者に転嫁できなかった」と説明した。

しかし、関税についての状況が変わらなければ来年は、コストが小売価格に転嫁され、今年と同じ支出では迫力のある花火は見られないかもしれない。

トランプ氏が主導する26年の建国250周年記念イベントは「歴史的瞬間にふさわしい盛大な祝典」として準備が進められており、その実行のために「タスクフォース250」が設置されている。

 

州主催のイベントから自宅でのバーベキューまで、独立記念日の行事に不可欠の商品の中で花火ほど、大半が中国製であるものはほかにないと、花火業者レッド・ライノ・ファイヤーワークスのスティーブ・ハウザー社長は指摘する。

トランプ氏の中国製品に対する関税政策の主な目的の一つは、国内生産を促すか、少なくとも中国依存を減らすようサプライチェーンの多様化を進めることにある。

しかし花火についてはそもそも米国内で製造されていたことがほとんどないため、製造業を回帰させる対象になり得ないとハウザー氏は説明した。

全米花火協会の元会長でもあるハウザー氏は「中国の圧倒的な花火生産量は、現在あるいは将来的に考え得る他のどの供給源とも比較にならない」と指摘。

関税が緩和されなければ、「秋から冬にかけてのレーバーデー、クリスマス、年越しの祝賀行事に対して、在庫不足やコスト高に関する現実的な懸念がある」とし、「業界として将来に強い不安を抱いている」と語った。

原題:Why Your Fourth of July Fireworks May Be Disrupted — Next Year(抜粋)

もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp

©2025 Bloomberg L.P.