(ブルームバーグ):ソフトバンクグループはドル建てとユーロ建てで総額42億ドル(約6000億円)の社債を起債した。グローバル債券市場を活用し、人工知能(AI)分野への本格展開を加速させる。
起債の内訳は、ドル建て4本で22億ドル、ユーロ建て3本で17億ユーロ(約2900億円)。事情に詳しい関係者が非公開情報であることを理由に匿名で明らかにした。最終的に総額155億ドル超の投資家需要が集まったという。
ソフトバンクGの孫正義社長は1月、AIプロジェクト「スターゲート」を発表し、今後4年間で5000億ドルを投資する方針を示すなど、米国を中心に大規模なAI投資を推進している。4月には米オープンAIに対し300億ドルの出資計画も公表した。
同社の広報担当者は、調達資金は既発債の償還や短期借り入れの返済、新規投資など一般事業資金に充てると述べた。新規投資の詳細には言及しなかった。

孫社長は6月の定時株主総会でAI分野への情熱を強調し、10年後には人工超知能(ASI)領域で「世界一のプラットフォーマー」を目指すと宣言。今後も資金調達がビジネス拡大の鍵になる。国内社債市場では今年度に入り6000億円超を調達している。
グループ子会社のソフトバンクも、モバイル事業に加えて金融やAIなど成長分野への事業展開を進めている。同社は今週、総額10億ドルのドル建て社債を起債、資本市場での調達を加速させている。
土屋アセットマネジメントの土屋剛俊社長は、ソフトバンクG全体に対する国内投資家のエクスポージャーが拡大する中、海外投資家からの資金調達は「理にかなっている」と指摘した。
(第2段落に最終需要について追記しました)
--取材協力:Ameya Karve.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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