(ブルームバーグ):米医療保険大手のセンティーンは2日、医療保険制度改革法(ACA、通称オバマケア)に基づく事業でリスクが急上昇しているとして、利益見通しを突如撤回した。これを受けて株価は急落し、上場来最大の下げとなった。
同社は米政府の対応を大きく見誤ったとみられる。保険会社の本業はリスクを判断し価格に反映させることだが、ここ最近では不意のリスクに襲われている。
2日の米株式市場でセンティーンは一時40%余り下落。2001年に上場して以来の大幅安となった。同業のモリーナ・ヘルスケアやオスカー・ヘルスケアも2桁の下落率。エレバンス・ヘルスケアは一時10%近く下げた。

センティーンはオバマケアの保険プランを提供する最大手。トランプ政権はこうした医療保険への不正加入を取り締まっている。保険料を払いながらも実際には請求の少ない、健康な顧客が締め出されているとアナリストらは分析している。
医療保険会社で顧客数が減少し、病気の加入者比率が上昇すれば、利益率は低下する。それは同時に、顧客が支払う保険料の上昇を意味する。
アンドルー・モク氏らバークレイズのアナリストはこの状況について「プラン解約と一段のリスクプール不安定化を招く可能性が高まる。つまり保険スパイラルの初期兆候だ」とリポートで指摘した。保険スパイラルとは、保険料の上昇が続き、そのために健康な人が保険を解約するという悪循環を意味する。

原題:Centene Plunges in Foreboding Sign for Health Insurers (1)(抜粋)
--取材協力:Lisa Pham.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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