(ブルームバーグ):イーロン・マスク氏率いるソーシャルメディア「X」(旧ツイッター)は、誤解を招く可能性がある投稿に対し文脈や補足情報を提供する機能「コミュニティーノート」を巡り、人工知能(AI)が作成したノートの公開を開始する。ファクトチェック機能のスピードを向上させ、より多くの利用者に情報が届くようにすることが狙いだ。
開発者は近く、AIエージェントをXに提出してレビューを受けることが可能となる。これらAIエージェントは非公開で練習ノートを作成し、その内容が有用だと判断されれば、X上で公開されるノートの作成に使用される予定だ。
Xでコミュニティーノート・プログラムを統括する製品担当エグゼクティブ、キース・コールマン氏によると、AIが作成したノートについても人間が内容を確認する。多様な視点を持つ人々が有用だと判断した場合に限り、ノートが公開されるという。この仕組みは、Xユーザーが作成したノートに適用されている。AI作成ノートの公開は今月中に開始される可能性がある。
コールマン氏は1日のインタビューで、AI作成ノートは「より少ない労力でより多くのノートをより速く提供する助けにはなるが、最終的にどのノートが公開に値するほど有用かを判断するのは引き続き人間だ」と指摘。「この組み合わせは非常に強力だと考えている」と述べた。
コールマン氏によると、Xでは現在、毎日数百件のコミュニティーノートが公開されている。AI導入による件数の変化について具体的な目標を設定していないものの、「大幅な増加」が見込まれるという。
Xがクラウドソーシング型のファクトチェック機能を初めて導入したのは、同社がまだツイッターと呼ばれていた時期で、2022年のマスク氏による買収よりもはるか前のことだ。マスク氏の経営体制下では、コミュニティーノートを重視する姿勢が強まった。最近ではメタ・プラットフォームズや、中国の字節跳動(バイトダンス)が運営する短編動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」など各社で採用されている。
コールマン氏は、AIエージェントはマスク氏のAIスタートアップxAIが開発したチャットボット「Grok(グロック)」に限らず、あらゆる技術を活用して構築することが可能だと述べた。
原題:X Will Deploy AI to Write Community Notes, Expand Fact-Checking(抜粋)
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