米資産運用会社バンガード・グループが新たにアクティブ型ハイイールド債の上場投資信託(ETF)を投入する計画だ。11兆6000億ドル(約1665兆円)規模の米ETF市場で競争が増している分野に参入する。

米証券取引委員会(SEC)に1日に提出された文書によると、「バンガード・ハイイールド・アクティブETF」(ティッカー:VGHY)はポートフォリオの少なくとも80%をジャンク債とも呼ばれるハイイールド債に投資する。経費率は0.22%で、ブルームバーグのまとめでは、同種のETFで最も低い水準。

世界で10兆ドルを超える資産を運用するバンガードはアクティブ運用債券ファンドに力を入れている。この分野では、JPモルガン・アセット・マネジメントも先週、アンカー投資家からの20億ドルの資金で初のアクティブ型ハイイールド債ETFを立ち上げるなど、競争が激しくなっている。

ブルームバーグ・インテリジェンスのETFアナリストで、「ボーグル・エフェクト」の著者であるエリック・バルチュナス氏は、VGHYの経費率はJPモルガンのファンドの半分だが、それだけでは大きな差別化要因にはならないとみている。

同氏は「最近のJPモルガンのアクティブ型ETFは極めて好調で、バンガードでさえも警戒している」とし、「その低コストは以前ほどのインパクトがなくなっている」と指摘。経費率の低いファンドに資金が集中する「バンガード効果は現在、多くのケースでバンガード自身の想定よりも迅速に広がっている」と述べた。

 

ブルームバーグのまとめによると、今年はこれまでに約116億ドルの資金がジャンク債ETFに流入。トランプ米政権の関税政策を巡る不確実性が高まる中でも、企業の業績は堅調に推移しており、過去2カ月で資金流入のペースは加速している。

バンガードはインデックス型のETFで知られてきたが、今年に入って少なくとも2本のアクティブ型を上場させ、その総数は12本となっている。

ブルームバーグ・インテリジェンスのデータでは、アクティブ型ETFはETF業界全体の約10%を占め、10年前の5%未満から急増している。

ストラテガス・リサーチのシニアETFアナリスト、トッド・ソーン氏は「アクティブ型はETF資産全体の10%を占めているが、今後の成長余地はまだまだ大きい」と述べた。

原題:Vanguard Plans First Junk ETF as JPMorgan Heats Up Active Race(抜粋)

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