欧州連合(EU)と米国は、上乗せ関税の一時停止措置が終了する7月9日の期限までに何らかの形で貿易合意にこぎ着けられると考えている。同日には、米国がEU製品のほぼすべてに50%の関税を課す予定で、EU側も一連の対抗措置を発動する構えだ。

EUの行政執行機関である欧州委員会のフォンデアライエン委員長は、26日に開かれたEU首脳会議での非公開の場で、経済的に打撃となる関税応酬のエスカレートを避けるため、期限前に合意に至ることができるかもしれないと自信を示した。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。

フォンデアライエン氏は、トランプ政権が今週新たな提案を示したと述べた。会議では首脳らの間で態度に変化が見られ、対立の激化を回避するためにある程度の不均衡を含む貿易合意でも受け入れる用意があると多くの首脳が語った。関係者は匿名を条件に話した。

ラトニック米商務長官も26日のブルームバーグTVとのインタビューで、フォンデアライエン氏に同調。EU側がここ数週間に交渉のペースを加速させ、合意に向けた土台を築いていると述べた。

EUの貿易問題を担当する欧州委員会の報道官は、コメント要請に現時点でまだ応じていない。

ラトニック氏は「欧州は素晴らしい働きぶりを見せた。懸命に取り組んでいる」と発言。「私は楽観的だ。今なら合意に達することができると思う」と語った。

その上で、米国にとってEUは最大の貿易相手であるため、交渉プロセスの最終段階でEUとの合意が成立するのは理にかなっていると付け加えた。

動画:ブルームバーグTVで語るラトニック米商務長官

原題:EU and US Confident They Will Reach Tariff Deal by July Deadline(抜粋)

(第3段落以降を追加し、更新します)

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