(ブルームバーグ):原油相場はアジア時間24日の取引で下落した。トランプ米大統領がイランとイスラエルの暫定的な停戦を発表したことを受けた。
北海ブレント原油は5%余り下落し、1バレル=68ドルを下回った。イスラエルが停戦に同意したと明らかにしたことが下げを後押しした。
この急落によりイスラエルがイラン攻撃を開始した前日となる12日の水準を下回った。23日は乱高下を経て、大幅安で取引を終えていた。安全資産への需要が後退し、金相場も下落した。

トランプ氏は23日に自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」への投稿で、イスラエルとイランが「完全かつ全面的」な停戦で合意したと発表。その後24日未明には「停戦が発効した」とコメントした。
イスラエルのネタニヤフ首相も停戦に同意したことを確認した。イランのアラグチ外相は、イスラエルが攻撃を停止すれば、イランも攻撃を停止するとしていた。
世界の原油市場は中東の危機で揺らいでいた。世界の原油供給の約3分の1を占める中東の供給が混乱するとの懸念が高まっていた。
ペッパーストーン・グループの調査責任者クリス・ウェストン氏は「トレーダーは現在、供給ショックのリスクが完全に過去のものとなったと確信している」と指摘。「米国が関与する長期的な紛争の可能性は見直され、リスクを追加する青信号が点灯した」とコメントした。

市場の緊張緩和のサインとして、北海ブレントの重要な12月物間のスプレッドは弱気を示す「コンタンゴ(順ざや)」の状態に戻った。
中東での暫定的な停戦が発効し持続すれば、市場関係者の注目が原油市場のファンダメンタルズに再び向かう可能性がある。年後半には、供給が需要を上回り、世界的な在庫の積み増しにつながるとの見方が広がっている。
トランプ氏は経済政策を後押しするため、安価なエネルギーを支持する姿勢を明確にしている。同氏は23日、イランへの米軍の攻撃を受けて、エネルギー生産者に原油価格引き下げを求め、エネルギー省にも掘削強化を要請していた。
原油安は、世界的なインフレ圧力を抑制し中央銀行当局者が直面する課題を和らげ、利下げの根拠を強める一因となり得る。米連邦準備制度理事会(FRB)のウォラー理事とボウマン副議長は、インフレが抑制された状態が続けば7月の利下げを支持する可能性があるとの考えを最近示している。
ウエストパック銀行の商品・炭素調査責任者、ロバート・レニー氏は「1週間半後にOPECプラスは日量40万バレルの追加の増産に合意するだろう」と指摘。「第3四半期(7-9月)に向け、世界的に生産量が増加し需要が減少して在庫が急増する中で、価格はこれまでの60ドルから65ドルのレンジ下限を試すだろう」と話した。
シンガポール時間午後2時37分(日本時間同3時37分)時点で、北海ブレント先物8月限は一時5.3%安の67.70ドルに下落。WTI先物8月限は5%安の65.05ドル。
原題:Oil Extends Drop as Trump Forges Middle East Ceasefire Agreement(抜粋)
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