米半導体大手クアルコムによる英同業アルファウェーブの買収で、連続起業家ウェイリ・ダイ氏は2億3700万ドル(約345億円)を手にする見込みだ。同氏は複数のテクノロジー系スタートアップを成功に導いてきた。

ダイ氏(63)はアルファウェーブの第2位株主で、計9630万株を保有する。クアルコムは今月、同社を現金約24億ドルで買収することで合意。2026年第1四半期の買収完了を予定している。

ブルームバーグ・ビリオネア指数によれば、ダイ氏の推定資産額は少なくとも33億ドルに膨らむ見通しだ。同指数でダイ氏の資産額が評価されるのは今回が初めて。

ダイ氏の夫である故セハト・スタルジャ氏は21年4月にアルファウェーブの取締役会入り。アルファウェーブは同年にロンドン市場で12億ドル規模の新規株式公開(IPO)を実施した。

昨年9月にスタルジャ氏が死去した後、ダイ氏は夫の保有株を相続し、暫定的に執行取締役に就任した。アルファウェーブは、半導体の電力効率や速度の向上に強みを持つ。

上海生まれで、米カリフォルニアで育ったダイ氏は1995年、スタルジャ氏や義理の兄弟と米半導体メーカーのマーベル・テクノロジーを創設し、起業家としての道を歩み始めた。社名のマーベルは、「驚くべき製品を作りたい」という3人の思いに由来すると、同社のブログに記されている。

アルファウェーブの株価は19日に1%余り下落したものの、年初来では109%上昇している。

ダイ氏はブルームバーグ・ニュースのコメント要請に応じなかった。

原題:Billionaire Dai to Get $237 Million Payday in Qualcomm Deal (1)(抜粋)

--取材協力:Diana Li、Ben Scent.

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