9月に入り、店頭でも新米を見かけるようになりましたが…まだまだ、お財布に厳しい状況は解消されていません。都内のスーパーでは新米5キロが4500円超えに。再び値上がりに転じていますが、今後のコメの価格はどうなるのでしょうか?
新米の値上がり幅“最大”に…価格高騰はなぜ止まらない?
買い物客
「やっぱり今の価格ではお金出しづらいっていうのが正直なところで」
「4000円台だと5キロはいけない」
「生活に痛いですね」

スーパーの棚にズラリと並ぶ新米。その価格は、軒並み4500円を超えています。千葉県産のコシヒカリは5キロで税込4687円です。

スーパーセルシオ和田町店 久保田浩二さん
「実際は4割近く、こちらの商品だと昨年より仕入れ値は上がってます。4000円を切って、昨年は販売ができてましたね」

値上がりを続けてきたコメの平均価格は、備蓄米放出で一度下がり、今年の夏、3500円台となりました。その後、再び値上がりし、前の週から264円上がって4155円に。4000円を超えるのは13週ぶりで、この1週間の値上がり幅は集計を始めて以来、最大です。

スーパーセルシオ和田町店 久保田浩二さん
「来年の新米が出るまでも、値上げが何回か続くと予想されている。今年には平均価格6000円近くまでいく可能性はあると思っている」
なぜ価格高騰が止まらないのでしょうか?

理由の一つが、JAが農家に前払い金として支払う「概算金」です。概算金は、JAがコメを集荷する前に設定するもので、この金額をもとに流通価格が決まります。この概算金が2025年は全国的に高くなっているのです。

コメの流通に詳しい流通経済研究所 折笠俊輔 主席研究員
「どこの概算金も去年軒並み(60キロあたり)1万7000~8000円だったのが、今年3万円近くまで上がっています。これは農協(JA)が引き上げたというよりは、他の集荷業者がかなり高値で集めている中で、農協(JA)としてもコメを集めるためには、並ぶ水準に引き上げないといけないと。“コメの集荷競争”が激化しているから、結果、概算金も上がっている」
専門家は、集荷業者の間でコメの争奪戦が起きていると話しますが、コメは足りていないのでしょうか?
コメの流通に詳しい流通経済研究所 折笠俊輔 主席研究員
「現段階では足りているか、足りていないか、分からない。結局いま、これだけコメの価格が高騰している背景としては、今年の猛暑と8月上旬にあった水不足で、コメの収量が思ったより穫れないのではないかという危惧」