(ブルームバーグ):日本銀行が4月30日と5月1日に開いた金融政策決定会合では、金融政策運営に関して米関税政策の影響を見極める必要性を多くの政策委員が指摘する一方、先行きについては利上げ路線の継続を主張する発言が目立った。20日に議事要旨を公表した。
トランプ米政権の関税政策を受けて、多くの委員が経済・物価見通しの下振れや不確実性の高まりを踏まえ「現時点では緩和的な金融環境を維持しつつ、各国の通商政策等の今後の展開やその影響を丁寧に確認していくことが適当だ」と主張。ある委員は、米関税の展開が落ち着くまで「様子見モードを続けざるを得ない」と語った。
先行きに関しては、賃金・価格設定行動や予想インフレ率が後戻りするリスクは限られ、「2%に向けて上昇してきた基調的な物価上昇率が下方に屈折してしまう可能性は小さい」とある委員が指摘。何人かの委員は、実質金利の大幅マイナスなどを踏まえて「方向としては政策金利を引き上げていくのが適当だ」との見解を示した。
会合では政策金利を0.5%程度に維持することを全員一致で決定。新たな経済・物価見通しを下方修正したが、見通しが実現していけば、利上げを継続する方針を維持した。見通し実現の可否は米関税の帰すう次第との認識を共有し、政策判断で重視している基調的な物価上昇率は腰折れしないことを前提に、物価目標の実現シナリオを維持した形だ。
物価の先行きを巡る議論では、各国の通商政策の影響について「物価に対して上下双方向の影響を及ぼしうる」としつつ、成長ペース鈍化などを通じて中心的な見通しを押し下げる方向で作用するとの見方を委員が共有。基調的物価が目標とおおむね整合的な水準で推移する時期は、「従来の見通しから1年程度、後ずれする」との見方を複数の委員が示した。
会合で議論した新たな経済・物価情勢の展望(展望リポート)では、基調的な物価上昇率が物価目標とおおむね整合的な水準で推移する時期を、2025-27年度の「見通し期間後半」とした。見通し期間が24-26年度だった1月リポートでも見通し期間後半となっており、目標実現時期は事実上の先送りとなった。
(詳細を追加して更新しました)
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