(ブルームバーグ):タクシー配車アプリを手掛けるGOが16日、東京証券取引所グロース市場に上場した。年初来で最大規模となる同社の上場により、国内の新規株式公開(IPO)市場に投資家の関心が戻るかどうか注目が集まる。
初値は2910円と公開価格の2400円を21%上回った。公開価格は8日に仮条件の上限に決定され、IPO規模は約886億円と今年の最大案件となった。上場時の時価総額は1864億円。
事情に詳しい関係者によると、投資家からは売り出し株数の25倍を超える需要が集まった。海外に全体の70%、国内個人に25%、国内機関投資家に5%の株式が配分されたという。公開情報ではないとして匿名を条件に語った。

英文目論見書によれば、ブラックロックやウェリントン・マネジメント、M&Gインベストメント・マネジメントといった機関投資家が株式の購入を約束。海外売り出し分には180を超す投資家が購入に関心を示し、応募倍率は約20倍となっていた。
足元の国内IPO市場には減速感が出ている。ブルームバーグの集計データでは、今年の案件数はこれまでに17(公開価格決定分)と2011年以来の少なさで、資金調達金額は1440億円規模と22年以来の低水準だ。東証がグロース市場の改革に着手し、30年から上場維持基準を引き上げる方針を示したことで小型IPOを中心に急減している。
株式市場全体で人工知能(AI)銘柄に資金が集中し、IPO銘柄への買い意欲が薄れている面もある。こうした中でGOの上場が成功裏に終われば、IPO市場への風向きが変わる可能性がある。

関係者によると、投資家はタクシー配車市場におけるGOの優位な立ち位置や競争力を評価しており、配車アプリの浸透率上昇が見込まれる中、手数料を引き上げる余地があるとみている。一方、新規参入による競争激化や配車を巡る規制変更は潜在的なリスクとして意識されたという。
独立系調査会社のICT総研が24年に行った調査によれば、タクシー配車アプリの中ではGOの利用者が最も多かった。ソニーグループなどが出資する「S.RIDE(エスライド)」や滴滴グローバルなども同様のサービスを提供している。GOにはゴールドマン・サックス・グループが23年に100億円を投資しており、当時の評価額は1350億円だった。
GOの発表によると、同社の26年5月期は売上高が408億円と前期比30%増、営業利益は70億円と同約2.6倍となったもようだ。公開価格に基づく予想株価収益率(PER)は29倍。ライトストリーム・リサーチのアナリスト、シファラ・サムスディーン氏はスマートカルマでのリポートで、同業と比較して割安感はなく、株価の調整局面を待って投資するのが賢明だと指摘した。
IPO全体を取り仕切るジョイント・グローバル・コーディネーターは野村証券、ゴールドマン・サックス証券、BofA証券が務めた。
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