(ブルームバーグ):大型スクリーンを手掛けるカナダのアイマックスの中国子会社、IMAXチャイナ・ホールディングは、中国全土でのスクリーン増設に本腰を入れている。パートナー企業で同国最大の映画館チェーン、万達電影と協力し、米中両国の大作映画による売り上げ拡大を目指す。
両社の16日の発表によると、万達電影は北京市や西安市などの主要都市において、高性能スクリーン27面を最新鋭のIMAX大型スクリーンに刷新する計画だ。
IMAXチャイナは現在、中国国内に約800面のスクリーンを展開しており、1-5月の観客動員数は前年比106%増の2200万人と過去最高を記録。特にファンタジーアニメ映画の「哪吒之魔童閙海(哪吒2)」(邦題:「ナタ 魔童の大暴れ」)のヒットが寄与したとみられる。同社によると、同期間の中国全体の映画観客数は約27%増加した。
中国の映画業界は浮き沈みの激しい状況に直面している。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)中に制作された作品が2023年に集中して公開され、同年の興行収入は77億ドル(約1兆1200億円)に膨らんだものの、24年には23%減少。25年は「哪吒2」のヒットを追い風に回復傾向が見られるものの、業界幹部らは他の新作が需要の減退に影響を受ける可能性を懸念している。
こうした中、アイマックスは大型作品を大型スクリーンで友人や家族と楽しみたいという観客のニーズを追い風に動員数が今後も拡大すると見込む。IMAXチャイナのダニエル・マンワーリング最高経営責任者(CEO)は「映画館に足を運ぶには、観客が時間とお金をかけるだけの理由が必要だ。アイマックスはその体験を保証する」と語った。
さらに、IMAXチャイナは、IMAXカメラで撮影された中国映画5本の公開も計画している。24年にIMAXスクリーンで上映された計73作品のうち、34作品は中国製。そのうち少なくとも2作品がIMAXカメラによるものだったという。
マンワーリング氏は、同社のスクリーンで公開される国内および海外の作品のバランスを維持していく方針だと述べた。
原題:Imax Adds China Screens With Wanda, Betting on Blockbusters (1)(抜粋)
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