ニューヨーク・マンハッタンのアパート家賃は8月に下落し、4カ月連続で過去最高を更新していた流れが反転した。

不動産鑑定会社ミラー・サミュエルと仲介業者ダグラス・エリマンのデータによると、8月に新規契約された賃貸物件賃料は中央値で4600ドル(約68万円)となり、前月比で2.1%下落した。ただ、前年同月比ではなお8.4%上昇した。

賃貸物件家賃の推移

8月は例年、大学を卒業した若者の流入や新学期を前にした家族の引っ越しが重なるため、ニューヨーク市の賃貸市場が活発になる時期とされる。しかし、住宅ローン金利の低下が購入希望者にとって追い風となり、賃貸市場の上昇圧力を幾分和らげている。

ミラー・サミュエルのジョナサン・ミラー社長によると、8月の賃貸契約件数は前月から減少した。住宅ローンの借り入れコストは現在、11カ月ぶりの低水準となっており、雇用指標の弱さや利下げ期待もあって、さらに低下する可能性がある。

ミラー氏は「2025年に見られた家賃の急激な上昇局面は恐らく終盤に差し掛かっている」と述べた。

賃料が下落したものの、空室数は前月比9%減の9625戸となった。6月に賃貸仲介手数料に関する法律が施工され、家主が新たな入居者にブローカー手数料を請求することが禁じられたため、新法の解釈がはっきりするまで、一部の家主が空室物件を市場に出さずに様子を見ている。

それでも、マンハッタンの賃料が最高値近辺にあるため、より割安な住宅を求めて借り手が周辺地域に動いている可能性がある。ブルックリンやクイーンズ北西部(アストリア、ロングアイランドシティを含む)では競争が激化し、賃料が上昇している。

原題:Manhattan Rents Slip 2.1%, Ending Streak of Record Hikes(抜粋)

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