(ブルームバーグ):米投資銀行ラザードは、人工知能(AI)の急速な普及により米国の電力需要が予想外に急増する中でも、太陽光発電は引き続き米国の電力網にとって最も安価かつ迅速に導入可能な電力源だと指摘した。
同社の電力・エネルギー・インフラ部門グローバル責任者、ジョージ・ビリシック氏によれば、大規模な太陽光発電のコストは税制優遇を含めない場合で1メガワット時当たり38-78ドルであるのに対し、最も高効率な天然ガス火力発電所は同107ドルに達するという。
ラザードの分析結果は、トランプ米政権が化石燃料を支援するため、再生可能エネルギー政策への批判を再び強める中で発表された。米政府ではクリーンエネルギー関連の税額控除の見直しが進められ、米エネルギー省が再エネ関連プロジェクトへの資金支援を縮小。同省のライト長官はX(旧ツイッター)への投稿で、断続的な再生可能エネルギーを「電力網の寄生虫だ!」と批判した。
一方で、政府がAI分野における主導権確保を掲げる中、安価な電力供給の確保が喫緊の課題となっている。

ラザードの分析によると、太陽光発電に蓄電池を組み合わせたり、バックアップとしてガス火力発電を利用したりする場合の方が、需要のピーク時のみ稼働するガス火力発電所を建設する場合よりもなお経済的だという。
ビリシック氏はインタビューで、市場変動や輸出増加を背景にガス価格と発電所の建設コストが上昇する中、「再生可能エネルギーは大きな役割を担う」と指摘。補助金なしでも再生可能エネルギーはガスより経済的だが、それでも税額控除が縮小されれば消費者が支払う電気料金の上昇につながると警鐘を鳴らした。
原題:Solar’s Cheaper Than Gas to Help Power AI, Lazard Says (1)(抜粋)
--取材協力:Mark Chediak.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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