人工知能(AI)の発展を追い風に中国の中型株が次の有力な投資先となる見込みだ。オーストラリアの運用会社オックス・キャピタル・マネジメントのファンドマネジャーがこう指摘した。

ジョセフ・ライ氏(シドニー在勤)は5月下旬のインタビューで、中型株に分類される「これらの企業の多くはAIの急速な導入によって恩恵を受けている」とし、「AIソリューションの導入コストは極めて低い」と説明した。

オックス・キャピタルが運用する「ダイナミック・エマージング・マーケッツ・ファンド」は、約8億豪ドル(約750億円)の資産を運用している。ブルームバーグが確認したオックス・キャピタルの開示情報によると、4月末までの3カ月間で1.5%のリターンを上げた。

同ファンドが最も強気な銘柄には、中国の医療関連中型株が含まれる。人工関節メーカーの愛康医療や医療機器大手の微創医療などが代表例だ。

 

中国のバイオテクノロジー企業の株価は今年に入ってから大きく上昇している。投資家の間ではイノベーションへの期待が高まっている。DeepSeek(ディープシーク)が提供するサービスを含むAI技術は、ヘルスケアIT分野でも業務効率や業績の改善に寄与する可能性がある。

ライ氏は、1月のトランプ米大統領の就任前に、割安感のあったテンセント・ホールディングス(騰訊)やアリババグループへの投資比率を高めたという。ただし現在は、投資先の中心をより規模の小さい銘柄に移している。

「今後、中国の中型株は大型株を上回るパフォーマンスを示す可能性がある」とライ氏は述べ、「香港や中国本土市場に強気の見通しを持つのであれば、今こそ中型株に注目すべきだ」と指摘した。

同ファンドは、韓国の検索大手ネイバーについても強気だ。同社では創業者が経営に復帰し、AI事業の拡大に注力する方針を打ち出している。

このほかにインドネシアのバンク・マンディリやバンク・ネガラの株式も保有している。

原題:Chinese Mid-Cap Stocks to Thrive on AI Boom, Ox Capital Says (1)(抜粋)

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