随意契約の備蓄米が放出されてからおよそ2週間。これまで販売されていなかった「空白県」にも届き始めていますが、今後、コメ価格への影響はどう出てくるのでしょうか。
きょうも新たな方針を打ち出した小泉大臣。
小泉進次郎 農水大臣
「本来であれば11月から12月くらいに入ってくる予定であるMA米を9月には入ってくる」
主食用として輸入しているコメの入札を例年より3か月早め、今月末に行うと表明。コメの価格が高止まりする中、輸入米を早期に流通させることで値下がりにつなげる狙いです。
小泉進次郎 農水大臣
「スピードを緩める段階ではない」
こうした中、大臣肝いりの備蓄米の流通も加速。
記者
「開店前から備蓄米を求めてたくさんの人が集まっています」
きょう、「あの」スーパーアキダイで備蓄米が販売されました。整理券は急遽用意。22年産の「古古米」を5キロ=2149円(税込)で販売し、店頭に並んだ90袋はわずか1時間ほどで完売しました。
「初めて備蓄米を買ったので嬉しい。楽しみです」
「大事に食べます」
秋葉社長はあまりの要望の多さに「備蓄米を仕入れざるをえなかった」と話します。
スーパーアキダイ 秋葉弘道 社長
「やっぱりコメって人気なんですね。備蓄米を期待しているお客さんがこれだけ多いということにちょっとびっくりというか」
備蓄米の流通は東京や大阪などの都市部に偏っていましたが、これまで販売されていなかった「空白県」にも備蓄米が続々と到着しています。
けさ、初めて随意契約の備蓄米の販売が始まった岩手県のスーパー。2022年産の「古古米」を5キロ=2139円(税込)で販売。用意された300袋は開店から20分足らずで完売しました。
「無事に買えてホッとしています。普段(買う)コメが高くて、家計も厳しいと思っていたので」
「(Q.早速きょう買ったものは食べるか) もちろん。ちょうど米も無くなったので」
さらに、別の「空白県」では、布団で北風をしのぐ客も…
「朝5時半から(並んでいる)。寒いんで」
開店前から200人が並び、店頭には500袋が用意されました。
「やっと買えました~!やっと会えました」
愛媛県内でのスーパーでも朝からこの行列。この店では1000袋が用意されましたが、事前に配られた引換券は1時間ほどで無くなったといいます。
到着が1歩遅れたこちらの女性。引換券が手に入りませんでした。
客
「明日は?」
店員
「今のところ未定ですね…」
客
「えー、そうなのー」
引換券が手に入らなかった客
「備蓄米を食べてみたくて楽しみにきた。残念」
備蓄米の流通で期待されるのが、コメ価格の値下がりです。
隅田屋商店 片山真一 社長
「今までは4万5000円とか、5万円していた銘柄のお米が、今は3万円台の声も聞けるようになってきました」
価格の急落を指摘するのは、明治時代から続く老舗コメ卸です。
卸売業者の間で売買する「新潟県産一般コシヒカリ」の「スポット取引」の価格は、5月23日には玄米60キロあたり5万円でしたが、きょう、1万2000円以上値下がりし、3万7500円をつけました。
背景にあるのは、やはり…
隅田屋商店 片山真一 社長
「お米、備蓄米が出てきたこと」
随意契約の備蓄米が各地に広がっていることに加え、早ければ来月にも新米の流通が始まることから、コメの供給量が増え、価格が下がっていると話します。
先ほどのスーパーの社長も備蓄米により、コメ全体の価格が下がることに期待を寄せています。
スーパーアキダイ 秋葉弘道 社長
「備蓄米が出てきたことによってコメ全体の価格が下がって、比較的庶民が買いやすい価格帯に、今より1000円ぐらい下がってくれれば」
備蓄米は大手コンビニでは今週末から順次、販売が全国に広がっていきます。
流通の加速が本当にコメ価格を押し下げるのか、今後の焦点となります。

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