本当に卸業者が儲けているのか? 取材で見えた数字の裏側

取材に応じてくださったのは、上場している大手コメ卸売業者A社です。
営業利益は2024年の1月〜3月は約3億9600万円だったのに対し、2025年の1〜3月では約19億2900万円と、確かに前年同時期比で約5倍になっていました。

A社の担当者によりますと、これまでのコメの卸売業は薄利多売で非常に利益率が低かったそうです。コメが品薄になり、価格の安さより安定供給が求められる中で「適正に利益が乗せられた」ことによって、営業利益も大きく伸びたということです。

A社の営業利益率を見ると、2024年の1〜3月が1.4%、2025年の1〜3月は5%まで上がっています。ただ全産業の営業利益率を見ると、東証上場企業(金融業除く)では約6.7%(2024年3月期※日本取引所グループHPより)となっていて、A社の営業利益率は平均よりは低いことがわかります。こうしてみるとデータの見方も変わりますね。

石田健さん:
そうですね。我々のように会社を経営してる、あるいは投資をする人間はまさに営業利益率を見ます。産業によって、利益率はだいたいこれぐらいだろうなというのがわかります。

そう考えたときに1%はかなり低いという感覚はあります。このあたりの感覚がないまま「500%です」と言ってしまうのは、ミスコミュニケーションかなと。

フラットに言うと小泉氏の初期の対応や初動のメッセージは国民に響いた部分があります。ただ「5倍」というところは勇み足だったのかなというところもあるので、より適切なメッセージを届けてほしいなと思いますね。

井上キャスター:
あえて違う角度から話すと、小泉氏はわかっていてわざとその数字だけを言ったのかもしれない。輸入米に関する発言も、何かをかき回すために言ったのかもしれないな、というところもありますね。

出水麻衣キャスター:
5次卸まであるので、「本当に5次卸まで必要なのか」という疑問提起がしたい中での発言かもしれないですが、槍玉に上がった企業さんにとってはかなりインパクトの大きい話だったのではないかなと思います。