日本銀行の内田真一副総裁は7日、日銀による国債の買い入れに関し、経済・物価との関係に基づく適切な金融政策運営を国の財政への配慮によって曲げることはないとの見解を示した。日本金融学会で行った講演を日銀がホームページに公開した。

日銀の国債買い入れと保有は、2%の物価安定目標を実現する金融政策の必要性から行っているとし、「政府による財政資金の調達を支援するためのものではない」と指摘。その上で、言うだけではなく、金融緩和政策からの出口プロセスなどにおいて経済・物価との関係で適切な政策を行い、「これを財政状況への配慮によって曲げることはないという結果が必要だ」と語った。

夏の参院選を控えて与野党で消費税減税を巡る議論が活発化するなど、財源を含む財政の在り方に関心が高まっている。内田副総裁は日銀による国債買い入れが財政ファイナンス(穴埋め)ではないとの原則を改めて強調した。

日銀は16、17日の金融政策決定会合で、昨年7月に決めた2026年1-3月までの国債買い入れ減額計画の中間評価と4月以降の買い入れ方針を議論する。

内田氏は、日銀が金融政策の正常化を進める中、利上げに伴う当座預金付利の支払利息の拡大などで一時的に赤字になる可能性に言及しつつ、「中央銀行のバランスシートの状況によって、物価の安定がき損されることはない」と説明。一方で、赤字や債務超過の発生時に市場が金融政策運営に疑念を持てば、政策効果の波及が阻害されるとし、「財務の健全性にも配慮していくことは大切だ」と述べた。

日銀の業務をテーマに行われた今回の講演では、経済のデジタル化が進展する中で、中銀がどのような形態での「支払い完了性のある決済手段」を提供するべきか設計していく重要性を指摘。このうち中央銀行デジタル通貨(CBDC)について「わが国の決済システムの将来像を決める重要なインフラになりうる」とし、発行に際しては国民的な議論が必要との認識を改めて示した。

一方で、デジタル化が大きく進む中でも、現金に対する需要は簡単にはなくならないと指摘。現金への需要がある限り、「安全かつ効率的に現金供給の体制を維持していくか、責任をもって考えていきたい」と語った。

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