フロリダ州の州立大学指導者らは3日、フロリダ大学の次期学長に選出されていたサンタ・オノ氏の任命を否決した。ミシガン大学で学長を務めたオノ氏が多様性推進プログラムを支持していたことに対し、米共和党から反発の声が上がっていた。

フロリダ大学が属する「フロリダ州立大学システム」の理事会は、フロリダ州オーランドで行われた会合でオノ氏に対し多様性・公平性・包括性(DEI)に関する姿勢などについて数時間にわたり質疑を実施。その後、10対6で同氏の選任案が否決された。

オノ氏は、年収最大300万ドル(約4億3300万円)が提示されていた学長職の唯一の最終候補者だった。フロリダ大学理事会は5月、次期学長にオノ氏を選出していた。

一方、フロリダ州立大学システム理事会メンバーのポール・レナー氏は、オノ氏が自身の主張を覆し、DEIを廃止する政策を実行すると表明したのは説得力がないと指摘した。レナー氏は元フロリダ州下院議長で、最近同州のデサンティス知事によって理事会に任命された。

オノ氏の任命を巡っては、トランプ大統領の長男ドナルド・トランプ・ジュニア氏や、トランプ氏の支持を得て州知事選に立候補しているドナルズ下院議員など、ホワイトハウスとつながりを持つ著名な共和党政治家や活動家らが阻止しようとしていた。

デサンティス知事は長年にわたり、「ウォーク(Woke)」(社会正義に目覚めた)と同氏が呼ぶプログラムを支持する人物を、州立大学の管理職から排除する方針を掲げてきた。

大学関係者の間では、今回の判断が全米屈指の公立大学の一つであるフロリダ大学の評判や人材確保に悪影響を及ぼすとの懸念が広がっている。

会合に出席したフロリダ大学の教授で元理事会メンバーのアマンダ・フェイリン氏は、「これは州立大学システムの政治化が今後も続くと予想されることを意味する」と指摘。オノ氏の排除により、右派の政治家が学長に就任する道が開かれる可能性があると懸念を示した。

フロリダ大学はコメントを控えた。

オノ氏は、カナダのブリティッシュコロンビア大学や米シンシナティ大学で学長を務めた経歴を持つ経験豊富な学者。同氏のDEIプログラムに対する姿勢は、近年の世論の変化に呼応する形で変化している。DEI反対を主要な政策の一つとして掲げたトランプ氏の大統領選勝利がその象徴となった。

オノ氏は今年に入り、かつて高く評価されていたミシガン大学のDEIプログラムを廃止した。背景には、トランプ政権が大学に対しこうした取り組みを廃止するよう圧力をかけたことや費用対効果を巡り数カ月にわたり批判が続いたことがある。

トランプ氏が支持するドナルズ下院議員は、理事会がオノ氏の選任案を否決したことについて、「フロリダ州の保守的な価値観を守るものだ」と称賛し、学長選考をやり直し「われわれの旗艦大学を率いるのにふさわしい、より有能な候補者を見つける」べきだと述べた。

原題:Florida Rejects $3 Million-a-Year University President Over DEI(抜粋)

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