米投資会社KKRは、商業用不動産向けプライベート融資の見込み案件が過去最大の420億ドル(約6兆円)に達している。不動産の再評価が進むとともに、市場不安定の中で他の貸し手が融資を手控える中、プライべート融資への需要はさらに増えると見込んでいる。

不動産クレジット部門のマット・セーラム、ジョエル・トラウト、パトリック・マットソン3氏の3日のリポートによると、不動産担保融資の見込み案件額が過去最高を更新したのは今年2回目。

ここ数年は金利上昇がさまざまな不動産の市場価格に圧力をかけてきた。さらに、4月上旬以降の関税懸念の高まりで、不動産オーナーの資金調達はさらに困難になり、プライベート融資への需要が高まった。

3氏はリポートで、トランプ米大統領の「『解放の日』関税は思いがけない形で新たなチャンスをもたらした」と記述。ボラティリティー上昇に伴いローンのスプレッドが拡大するとともに、単一の資産を担保とする単一の借り手への商業用不動産ローンの証券化市場が凍結状態になったことで、代替的な資金調達手段を提供する好機となったと説明した。

KKRによると、不動産ローンは担保に基づくキャッシュフローと変動金利の特性を備えており、インフレヘッジとして総じて魅力が高い。KKRは通常、不動産価値の60-70%程度を融資し、価格下落時にも返済を受けられるよう十分なエクイティークッションを確保しているという。

セーラム氏はインタビューで、商業用不動産を担保としたプライベート融資のリターンは年率12-14%が見込めると述べた。ただ、関税の影響とインフレ加速には警戒していると付け加えた。

いずれも国内総生産(GDP)と雇用に影響し、不動産価格を押し下げかねないと指摘。例えば関税はロサンゼルスの倉庫の価値に影響し得ると例を挙げた。

「現時点で最大のリスクはマクロ環境だ。まずインフレ、次にリセッション(景気後退)リスクだ」と指摘した。

KKRは今後数年で、数十、数百億ドル規模を不動産向けプライベート融資戦略に投入する計画だとセーラム氏は述べた。

原題:KKR Builds Record $42 Billion Private Real Estate Loan Pipeline(抜粋)

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