政府が近く取りまとめる「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」の原案が明らかになった。金利上昇への警戒感を背景に、国債の国内保有の促進や安定的な発行にも言及する異例の内容だ。

ブルームバーグが3日に確認した原案では、「国債需給の悪化などによる長期金利のさらなる上昇を招くことのないよう、国内での国債保有を一層促進するための努力を引き続き行う必要がある」と指摘。国債を安定的に発行できる環境を整えることの重要性を強調した。

「金利のある世界」への移行が進む中、日本の経済・財政に対する市場からの信認を確実なものとしつつ、財政健全化の旗を降ろさない姿勢を明確に示している。

今回の骨太の方針では、過去と比べて国債に関する記述が多くみられる。日本の財政状況は主要国で最悪の水準にあり、市場の信認を維持することは喫緊の課題だ。国債の安定的な発行に支障が生じれば、財政の持続可能性が損なわれかねないという石破茂政権の危機感がにじむ。国内金利の最近の上昇傾向に加え、5月の米国債格下げもあり、財政運営への注目度は高まっている。

日本銀行が国債買い入れ減額を進める中で、国債の需給バランスの悪化に対する懸念が広がっている。現在の計画では、昨年7月末の5.7兆円程度から毎四半期に4000億円程度ずつ減らし、来年1-3月に月間2.9兆円程度とする。買い入れ規模が縮小されつつも、日銀はなお発行済み国債の半分以上を保有。全体としては、国内投資家が日本国債の大半を保有しており、このことが長年にわたり国債への信認を支える要因となってきた。

日銀は今月16、17日の会合で、昨年7月に決めた2026年1-3月までの国債買い入れ減額計画の中間評価と同年4月以降の買い入れ方針を議論する。植田和男総裁は3日の国会で、国債買い入れ額を「減らしていくことが適切という声が多く聞かれた」とした一方、具体的な減額ペースについてはさまざまな意見があったと説明した。

黒字化目標に幅

これまで25年度としていた財政健全化の指標とする基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)の黒字化目標は、25-26年度を通じて実現を目指すとし、達成時期に幅を持たせた。一方、米関税措置の影響が不透明なことから「必要に応じ、目標年度の再確認を行う」とも盛り込んだ。

目標達成後は一定の黒字幅を確保しながら、債務残高対国内総生産(GDP)比をコロナ禍前の水準に向けて引き下げる方針も示した。

--取材協力:横山恵利香.

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