メキシコへの送金額がここ十数年で最大の落ち込みを記録している。多くのメキシコ人が暮らす米国で、トランプ政権による移民への厳しい姿勢が続いていることが背景にある。

メキシコ銀行(中央銀行)が2日に発表したデータによると、4月の送金額は前年同月比で12%減少し47億6000万ドル(6800億円)となり、2012年9月以来の減少幅を記録した。ブルームバーグが集計した予想の中央値を大きく下回った。

メキシコの銀行グルーポ・フィナンシエロ・バセの経済分析担当ディレクター、ガブリエラ・シラー氏は、米国での労働市場の悪化や移民労働者の間での強制送還への不安が高まっていることが背景にあると分析する。

シラー氏は「米国にいる移民たちは強制送還の可能性があるため、働いたり送金したりするのを恐れている」と述べた。

 

メキシコのアマドール財務相が先月の記者会見で語ったところによれば、同国には24年に約650億ドルの送金があり、これは国内総生産(GDP)の約3.5%に相当する。

メキシコ中銀によると、25年1-3月(第1四半期)は米国からの送金が全体の97%を占めた。

米議会では現在、市民以外の居住者による国外送金に対して3.5%の課税を行う案が検討されているが、メキシコのシェインバウム政権は二重課税だとして反対を表明している。

メキシコ経済は、25年第1四半期にリセッション(景気後退)入りを辛うじて回避したが、メキシコ中銀は先週の四半期報告で、年間成長率の見通しを従来の0.6%から0.1%へと下方修正した。送金の落ち込みが長引けば経済成長に影響を及ぼす可能性があると指摘されている。

ゴールドマン・サックス・グループの中南米担当チーフエコノミスト、アルベルト・ラモス氏は顧客向けのリポートで、今後の送金に影響を与える主要リスクとして、米国の労働市場や低技能労働者の賃金動向の変化を挙げた。

また、「米国の移民政策の厳格化や違法薬物、マネーロンダリング(資金洗浄)対策も、メキシコへの送金の流れに影響を与える可能性がある」とも述べている。

原題:Mexico Remittances Plunge as Trump Cracks Down on Migrants(抜粋)

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