(ブルームバーグ):来週の円相場は上昇が見込まれる。米国の関税政策を巡る経済の先行き不透明感からリスク回避の円買い・ドル売りが先行しそうだ。
◎あおぞら銀行の諸我晃チーフマーケットストラテジスト
- ドル・円の予想レンジは1ドル=142-147円。上値を試すような材料は見当たらず、レンジ内の円高水準での推移が中心となるだろう
- 重要な経済統計の発表が多く、米雇用統計をはじめ雇用関連のデータに注目。トランプ関税を巡るヘッドラインで上下する可能性はあるが、景気悪化、関税政策の不確実性からドル・円の上値は重い
- 高水準のドル売りポジションがドルの下値を支える
◎関西みらい銀行の石田武ストラテジスト
- 予想レンジは142-147円。関税を巡る不確実性が市場のセンチメントに悪影響を与える状況が継続し、ドル・円の上値は重い
- トランプ関税に対する裁判所の手続きが6月9日までの予定となっており、それまで右往左往する可能性。新規失業保険申請件数が大幅に増加したため、5月の雇用統計に対する警戒感が出ている
- 米金利低下でタームプレミアムの縮小が一部見られ、やや上値が重い程度と想定
主な予定
- 2日:パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長、FRBの会議で開会のあいさつ
- 3日:日本銀行の植田和男総裁が内外情勢調査会全国懇談会で講演
- 4日:米地区連銀経済報告(ベージュブック)公表
- 4日:5月の米ISM非製造業総合景況指数
- 5日:欧州中央銀行(ECB)が政策金利発表、ラガルド総裁記者会見
- 7日:日銀の内田真一副総裁が日本金融学会で講演
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