(ブルームバーグ):米デルタ航空とアメリカン航空グループは、プレミアム座席の提供を大幅に拡充すると表明した。エコノミークラス需要が今年に入って急減する中、米航空各社が座席を埋めるのに苦労している現状を浮き彫りにした。
アトランタを拠点とするデルタは、売上高の半分余りをエコノミークラス以外から得ている。グレン・ホーエンスタイン社長が11日、モルガン・スタンレー主催の年次会議で明らかにした。低所得層の消費者が依然として苦境にある中でプレミアム座席が業績を支えているという。
「当社はエコノミークラスへの依存度が下がったことで、同クラスが赤字でも全体では黒字を出せる」と同氏は語った。
デルタは来年、高価格帯の座席供給数を過去最高に増やす計画。ライバルのアメリカン航空も2030年までに高価格席を2割拡大する。
両社は法人需要の回復を確認しており、デルタでは特にテクノロジー、銀行、金融サービス分野の需要が戻ってきている。一方で製造業は依然として出張に慎重だという。
アメリカンのスティーブ・ジョンソン副会長は同じ会議で、国際線のエコノミークラスは業界全般に搭乗率が低迷していると述べた。
それでも航空各社は米国の秋の旅行需要が堅調になると見込む。アメリカンは現行の利益見通しに「十分な自信がある」としており、デルタも「堅調な」法人予約や高単価レジャー旅行がこのシーズンの業績を支えると予測している。
デルタは11日、規制当局への提出書類で、7-9月(第3四半期)売上高が前年同期比2-4%増になると予想し、従来示していた横ばいから4%増の見通しから修正した。

原題:Delta, AA Expand Premium Offerings as Main Cabin Demand Lags (1)(抜粋)
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