(ブルームバーグ):米マイクロソフトは29日に開催した社内向けのタウンホールで、法人向け人工知能(AI)ツールの販売実績を強調し、英銀バークレイズとの大口契約について明らかにした。
事情に詳しい複数の関係者によると、マイクロソフトのチーフコマーシャルオフィサー(CCO)、ジャドソン・アルソフ氏は、バークレイズが同社のAIアシスタント「Copilot(コパイロット)」を10万ライセンス購入することで合意したと社員に話した。関係者が社内イベントでの発言だとして匿名を条件に述べた。
アルソフ氏はまた、アクセンチュアやトヨタ自動車、フォルクスワーゲン、シーメンスを含む数十の企業が10万を超えるユーザーを抱えているとも述べたという。
マイクロソフトのサティア・ナデラ最高経営責任者(CEO)は同イベントで、コパイロットの導入促進に注力しており、顧客企業の従業員が使用している割合を注視していると語った。利用料金は1ユーザー当たり月額30ドル(約4300円)。大手の顧客は通常、割引が適用されるが、アルソフ氏が言及したような企業との契約では一社当たりで年間数千万ドル規模に上る。
マイクロソフトはコメントを控えた。バークレイズ、アクセンチュア、トヨタ自動車、フォルクスワーゲン、シーメンスの各社もコメントしていない。
マイクロソフトは、米オープンAIとの緊密な連携によってAI製品の商業化で先行していると見られている。今年1月に同社は、AI関連事業が年間130億ドル以上の売り上げをもたらす見込みだと発表していた。
それでもウォール街では、同社の多額のAI投資が実を結んでいるかどうかを見極めようとする声も根強い。
全従業員の約3%に相当する6000人の人員削減を発表してから数週間後に開かれた社内集会は、社員の士気を高める狙いもあった。ナデラCEOは冒頭で、今回の人員削減は業績によるものではなく組織再編に伴うものだと説明した。削減では製品を開発する従業員が大きな影響を受けており、AI時代ではエンジニア職であっても安泰ではないことが示された。
原題:Microsoft Touts AI Sales at Town Hall, Reveals Barclays Contract(抜粋)
--取材協力:Matt Day、ドーソン・チェスター、David Welch.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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