トランプ米大統領は政策の柱に位置付けている大規模な減税法案について、可決に必要な票を確保するために妥協した結果だと述べた。同氏を支持し、助言役も務める資産家イーロン・マスク氏による批判を受けて、記者団に説明した。

「何よりも大量の賛成票を集める必要がある」とトランプ氏。「削減ばかりというわけにはいかない。多くから支持を得なくてはいけないからだ」と話した。

マスク氏はCBSニュースのインタビューで、「巨大な歳出法案には率直なところ失望した。財政赤字を減らすどころか、増やすものであり、政府効率化省(DOGE)の取り組みを台無しにする」と述べた。マスク氏が率いるDOGEは政府機関のコストと人員の削減を強行している。

トランプ氏が推進する「大きくて美しい法案」には、マスク氏だけでなく一部の財政タカ派からも同様の批判が寄せられている。同法案は新たな減税と、軍事費と国境警備費の増額などを盛り込み、財政赤字を数兆ドル規模で膨らませるとみられている。

マスク氏は「大きな法案はあり得るし、美しい法案もあり得ると思うが、両方というのはあり得ないのではないかと思う」と述べた。

同法案は先週、僅差で下院を通過したが、上院で可決されるために大幅な修正が加えられると見込まれている。

トランプ氏は「法案を巡る交渉はこれからだ。一部について私は好ましく思っていないが、それ以外には非常に満足している」と述べ、「そういうものだ」と続けた。

「これだけの減税を実現できるのだから」、法案は最終的に価値のあるものになるとトランプ氏は述べた。

原題:Trump Downplays Musk Tax Bill Criticism, Says Need to Win Votes(抜粋)

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