(ブルームバーグ):欧州中央銀行(ECB)は28日、ユーロ圏の消費者によるインフレ期待が4月に2カ月連続で上昇したと発表した。
今後1年の物価上昇率は平均で3.1%と見込まれ、3月調査の2.9%から上昇。2024年2月以来の高水準に達した。
一方で、3年および5年間のインフレ期待はそれぞれ2.5%と2.1%で、前月から変化はなかった。
ECB当局者は、今後数カ月以内にインフレ率を目標の2%に戻せるとの見通しに自信を示している。
5月の速報値ではフランスの消費者物価が前年比0.6%の上昇にとどまり、他の主要国でも目標を下回る数値が見込まれる。ユーロ圏全体のインフレ率は6月3日に発表される予定。
インフレが落ち着きトランプ米大統領が欧州連合(EU)に対する懲罰的関税を課す意向を示す中で、投資家はECBが来週利下げを実施し、その後年内にさらに2回の0.25ポイント利下げをするとみている。現在の中銀預金金利は2.25%。
トランプ氏の関税の脅威にもかかわらず、ユーロ圏の景況感は5月に改善した。
一方、ECBの調査では消費者の経済見通しは悪化。今後1年で1.9%の景気縮小を見込んでおり、失業率も1年後には10.5%に上昇するとの予測が示された。
原題:ECB Says Consumers’ Inflation Expectations Rise for Second Month(抜粋)
--取材協力:市倉はるみ、Joel Rinneby、Barbara Sladkowska.
もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
©2025 Bloomberg L.P.